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Laboratory of Applied Enzymlogy, Faculty of Agriculture, Kagawa university

TEL. 087-891-3292

〒761-0795 香川県木田郡三木町池戸2393

香川大学 希少糖研究センター  森本研究室(酵素利用学研究室)

研究内容RESEARCH CONTENTS

イズモリングを基本とする希少糖生産法の確立

 私たちの研究室では、身の回りに数多く存在する微生物やそれらの微生物が持っている酵素の力を使って“希少糖”の生産を行っています。“希少糖”とは自然界にほとんど存在しない単糖です。地球上には非常に多くの糖質がありますが、そのほとんどは植物が太陽光線を受け光合成によってできるデンプンです。デンプンは単糖であるD-グルコース(ブドウ糖)の集合体で、ヒトはデンプンなどの糖質を食べエネルギーに変えて生命維持をしています。そのD-グルコースの構造が少しずつ異なってできているのが希少糖で、その仲間は約50種類ほどあります。単糖はD-グルコースなどのようにエネルギー源としてしか利用されていないと言われ、希少糖自体の価格も非常に高価なものであったため研究がなされていませんでした。しかし私たちはこれまでに希少糖は甘みがあるがカロリーがほとんど無く、また一部の希少糖にはヒトに生理活性作用(体に良い効果をもたらす作用)があることが分かってきました。私たちは全種類の希少糖をたくさん、そしてより安価に作ることによって食品や医薬品などに広く利用されるようにしたいという夢をもって研究しています。
 希少糖は、アルデヒド基をもつアルドース、ケトン基をもつケトース、アルコールをもつ糖アルコールの3種類に分類されます。図1のイズモリングは希少糖を作る設計図で、アルドースは赤、ケトースは青、糖アルコールは黄色で示してあります。希少糖を作る上で欠かせないのが微生物が作る酵素です。各単糖と単糖とを結んでいる線は、相互を原料として酵素反応により得ることができることを意味しています。下の図は、D-グルコースと同じ炭素数6の設計図を示したイズモリングです。この技術を駆使して希少糖の大量生産法も確立しています。詳しくは、こちらをご覧ください。
 さらにイズモリングを発展させたデオキシイズモリングを基本として、1位もしくは6位がデオキシ化されたヘキソースの生産にも力を入れています。これらはデオキシ化された希少糖、デオキシ希少糖と呼んでおり、今後の希少糖研究にとって欠くことのできない重要な研究素材と位置づけています。この研究を進めていくことにより、新たな酵素の発見に繋がり、さらに希少糖生産の効率化に発展できると考えています。

CEO      

イズモリング以外による生産経路の確立

 希少糖生産の基本戦略はイズモリングです。上図のイズモリングを構成する酵素群(アルドースイソメラーゼ、ケトースエピメラーゼ)の研究も活発に行なっていますが、これら以外にも希少糖を生産する酵素が存在します。実は、イズモリングの方法ではどうしても生産しにくい希少糖があります。これを解決するための手段としてイズモリングを介さない方法も模索しています。近年、二糖類(麦芽糖や乳糖)を出発源にして希少糖の生産が可能であることが分かってきました。下図に示したように、乳糖を原料にして水素還元して得られる還元乳糖(ラクチトール)を微生物によって酸化させると3-ケトラクチトールが得られます。それを再度水素還元すると希少糖D-グロースと甘味料として使われるD-ソルビトールが結合したD-グロシル-D-ソルビトールという二糖類が得られます。それを加水分解するとD-グロースが得られ、これは従来の方法よりも10倍ほど高い収率です。ここで紹介した微生物の酵素は非常にユニークであり、今後の希少糖生産を大きく発展させる可能性を秘めています。この他にも微生物はまだ未知なる酵素が存在している可能性があると考え、そのような酵素を発見するためにスクリーニングも積極的に行なっています。

CEO

最近の卒論(課題研究)・修論・博論のテーマの概要

希少糖生産に関する新規酵素および新規微生物の探索とそれを用いた希少糖生産に関する研究

二糖類やデオキシ希少糖などを用いた新たな希少糖生産経路の開発

微生物反応を利用した希少糖転換経路の解明
     
微生物反応を利用した同時多発的な希少糖生産方法の開発
     
希少糖の大量生産方法の開発
                             

バナースペース

Morimoto lab

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